欠けたピースは想いの証

そして、あたしは今日、卒業を間近に控えて転校しなくてはならない。

もうすぐ時間・・・それは分かってるけれど、でも、まだやり残した事がひとつある。

「勉強・・・進んでる?」

「・・・まぁまぁ、って所かな」

そう言って、幸太は力無く笑った。

あまり進んでないんだろう。いきなり公立への進路変更は、簡単な事じゃないはずだ。

受験シーズン本番のこれから、もっと大変になるだろう。

だから、あたしは渡したばかりのチョコを、幸太の手から奪った。

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