欠けたピースは想いの証

あたしが離婚の話を聞かされた時、もうお父さんは出て行った後だった。

だいぶ前から、その兆候はあったらしい。

受験生のあたしに気を遣っていたのだろう。

あたしは、一度、お母さんの実家に行く事になった。

出発は、2月14日。

よりにもよってバレンタインデーだ。

荷造りや手続き、学校や部活の引き継ぎ・・・やる事は多かった。

唯一の救いは、進学先だけは変えなくても大丈夫な事だった。

でも、それは何の慰めにもならなかった。

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