欠けたピースは想いの証
「ぷっ・・・」
なぜか三奈子はいきなり吹き出した。
「あはははは、そんなわけないじゃん!」
「あ・・・」
それは、夏の日差しのように眩しくて、山の空気のように澄んでいる笑顔だった。
新記録を出した時や、テストで良い点を取った時など、何かを達成した時の清々しい――オレの一番好きな笑顔だ。
もう見ることはないと思ってた。
だから、たぶんこれがオレにとって、本当の意味でバレンタインデーの贈り物だと思う。
「これはね・・・ホワイトデーの前返しだよ」
[4]戻る|次へ[6]
|目次|