欠けたピースは想いの証

「どうしても無理・・・なのか?」

オレは目眩を堪えるように声を絞り出した。

「すまん・・・」

父親が、頭を下げたまま悔しそうに言った。

その瞬間、オレは諦めがついた。

奨学金とか借金とか・・・考えなかったはずもないだろう。

諦めるのは最後、いつもそう言う両親だ。

それでもオレに頭を下げているんだから、もうどうしようもない。

それくらいにはオレは両親を信頼していた。

「・・・分かったよ」

ため息と共に脱力感が全身を襲い、逆に肩が重かった。

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