欠けたピースは想いの証

オレが、その板チョコの不自然さに気づいたのは、不覚にもホワイトデーの日だった。

通学路の途中、何となくショーウィンドウを見ていて気づいたのだ。

板チョコを買うのとバレンタイン用のチョコを買うのでは、何も変わりがない事に。

「気を遣わせないため・・・か」

あえて板チョコを選ぶ事で、三奈子は、お返ししない事に負い目がないようにしてくれたのだ。

そして、それこそが三奈子の本当の気遣いだったのだ。


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