欠けたピースは想いの証
side幸太

オレが受け取ったのは、本当になんの変哲もない、市販の板チョコだった。

「その、幸太、ごめんね。こんなので・・・」

小柄な身体を小さくしながら、三奈子は上目遣いで心底申し訳なさそうに言ってくる。

「いや、もらえただけで嬉しいよ」

ホント言えば、板チョコってのには、ちょっとがっかりしている。

ただ、最後の日にオレに会いに来てくれたのは、本当に嬉しかった。

[4]戻る次へ[6]
|目次|